背景 — 「立ち寄る理由」が必要だった
SHIBUYA QWS は、渋谷スクランブルスクエア15階に位置する共創施設。スタートアップ・大企業・研究者・学生が交わる場として2019年に開業。しかし、コロナ禍を経て「人と人が偶発的に出会う」体験が薄れていた。施設側からの依頼は明確だった ── 「もう一度、ここに来る理由をつくりたい」。
私たちが提案したのは、空間に飾るアートではなく、空間そのものを「対話を引き起こす装置」に変えるアプローチ。常設展示ではなく、3ヶ月ごとに入れ替える運用型アートディレクションを設計した。
キュレーションの方針
展示作家は、毎期 QWS のテーマと連動して選定。第1期(2025年Q1)のテーマは「対話の余地」。中津川翔太の幾何学的構成と、NOMA の有機的なドローイングを組み合わせることで、来場者の動線に「立ち止まる瞬間」を意図的に配置した。
来場者アンケートでは、リピート率が前年比 +34%、滞在時間は平均 +18分。「アートが話のきっかけになった」と回答した利用者は67%にのぼった。
運用設計 — 3ヶ月の呼吸
3ヶ月ごとの入れ替えは、ただローテーションではない。前期のテーマを引き継ぎつつ、季節と QWS 内のイベント計画と同期させる「呼吸」を設計した。プラスアートは作品選定・搬入搬出・保険・補修まで含めて運用代行する。施設側の運営負荷をゼロにすることで、長期パートナーシップが成立した。
成果
2025年通年の契約に進み、年4回の入れ替え運用を継続中。施設のブランド指標として「アートで対話を引き出す共創スペース」という認知が形成された。同様の空間アートディレクション案件は、本プロジェクトをモデルケースとして、不動産・大学・医療施設からの引き合いに広がっている。